水木しげると言えば、日本史を代表する漫画家だ。多くのヒット作品を飛ばし、特に有名なのが、ゲゲゲの鬼太郎。
そんな水木しげるの漫画を元にした…悪く言えば、パクったんじゃないか?と噂されている漫画があることをご存知だろうか?
その漫画というのが、大ヒットを飛ばし、実写ドラマ化、映画化もされたデスノートだ。
デスノートが世に出たのが、2003年のこと。
この年から、週刊少年ジャンプで連載が始まり、その連載は2006年まで続いた。
少しだけデスノートのあらすじを紹介しよう。
死神のリュークが、人間世界にデスノートと呼ばれるノートを落とした。このノートは、名前を書き込まれた人間が、ノートに書き込まれた通りに死んでしまう。このノートを拾ったのが、夜神月(やがみらいと)。彼はこのノートを手にし、世界を新しい世界に変えるという野望を実行していく…。
ざっくり言えばこんな感じだが、この作品が当時センセーショナルであり、かつ作品のキモとなっている設定が、名前を書いた人間が死んでしまう「デスノート」の存在である。
しかしこのデスノート。
実は、水木しげるの過去の作品に、それに近い設定のものが存在したのだ。
その作品というのが、「不思議な手帖」という作品。
この作品は、1970年代に連載されていた作品で、キモとなっている設定がデスノートと全く同じなのだ。
「不思議な手帖」※ネタバレ有り
主人公である、サラリーマンでの山田は、ある日手帖を拾う。
この手帖に誰かの名前を書くと、その人間が死んでしまうということを知った山田は、その手帖に、いつも吠えてくる近所の犬の名前を書いてみることに。
すると、その犬が犬狩りにあってしまう。
この手帖の恐ろしさに気づいた山田は有頂天に。
しかし、その内容を同僚のねずみ女に話したところ、その不思議な手帖をこっそりとねずみ女が乱用してしまう。
そこで山田は、その手帖にねずみ女の名前を書き、ねずみ女を死なせてしまう。
罪の重さから山田は、その手帖に涙で自分の名前を書き、自分自身が死んだつもりになることで、罪を償おうとする。
そして、いつしかその手帖は捨てられ、焼却処分されることに。
すると、山田が涙で書いた自分の名前が、償却の際に浮かび上がり、結局、山田は死んでしまう。
と、ここまでが水木しげるの作品「不思議な手帖」の内容だ。
細かい内容はともかく、誰かの名前を書くことで、その人間が死んでしまうというキモとなる部分の設定が、デスノートに非常に酷似しているのが分かるはず。
パクりかどうかの論争はどうでも良いが、30年も前に、この設定を思いついた水木しげるの発想力には頭が下がる。
ちなみに、当たり前の話だが、この「名前を書くことで誰かが死ぬ」という設定は、あくまでも漫画の中の話。
そんなことが現実世界で起こるなんてことはあり得ない…と思うが、実は現実世界で、デスノートと同じく、名前が書かれた人間が死んでしまうという恐ろしい「掲示板」が存在したことを知っているだろうか?
その掲示板に名前を書かれたある人物が、実際に死んでしまったのだ。
その内容というのが…
ぱ。