第二次世界大戦。
大量の日本人が命を落とすことになった、歴史的惨事だ。
特に、戦場の最前線では、多くの日本兵が、悲劇的な死を遂げた。
そんな中において、第二次世界大戦史上、奇跡の作戦と呼ばれた作戦がある。
それがキスカ島撤退作戦だ。
第二次世界大戦中、当初、日本はキスカ島を占領していた。
しかし、徐々に戦局が悪化して行く。
そんな中で、キスカ島を占拠していた守備隊の元に、絶望的な知らせが。
アメリカ兵がキスカ島を奪還しに来るというのだ。
キスカ島よりも先に、日本に近いアッツ島が攻略され、アッツ島を守備していた守備隊は玉砕。
アッツ島をアメリカ軍が占領したことで、完全に制空海権を奪われ、キスカ島は必死となってしまったのだ。
当初は、大本営も、守備隊の奪還作戦は不可能だと考え、キスカ島の守備隊を見捨てる方向であった。
しかし、軍内部から批判の声が上がり、守備隊奪還作戦が決行されることとなった。
そして、何度か撤退を繰り返しながらも、奇跡的にキスカ島の守備隊、全員の奪還に成功したのだ。
この作戦は、キスカ奇跡の作戦と呼ばれ、映画化もされた。
さて。
ここまでは、一般的に語られる第二次世界大戦中の美談だ。
しかし、このキスカ島撤退作戦の裏には、ある悲劇がある。
それが、アメリカ軍による同士討ちだ。
アメリカ軍は、まさかキスカ島の守備隊が一人もいないなどは思っておらず、当然、日本兵がキスカ島に潜み、自分たちを狙っていると考えていた。
そして悲劇は起きた。
時期的にキスカ島に濃霧がかかっていたこともあるのだろう、一人の日本兵もいないキスカ島で戦闘を開始し、死者約100名、負傷者数十名を出したのだ。
ちなみに、このキスカ島には、日本兵が残した軍需品と、犬4匹だけが残っていたと言われている。
軍需品はともかく、犬4匹は本国に連れ帰ってあげて欲しかった。