大ヒットジブリ映画「風立ちぬ」
宮崎駿の最後の作品ということで、色々と話題を読んだ作品でもある。
そんな中、多くの人が疑問に思うのが「風立ちぬ」の意味だろう。
私自身、以前まではどういう意味かさっぱり分からなかった。
概ね「風が立たない」、つまりは「風が吹かない」というような意味合いだろうとタカをくくっていたが、どうやら全くのとんちんかんであったようだ。
実は、風立ちぬという作品には原作が存在する。
それがこちら⇒風立ちぬ・美しい村
堀辰雄という小説家が書いた作品で、文学書としても有名な一冊である。
この小説の中に「風立ちぬ いざ生きめやも」という言葉が出てくる。
これがタイトルの「風立ちぬ」の元になっているのだ。
ではこの「風立ちぬ いざ生きめやも」というのはどういう意味なのか?
実は多くの人が勘違いしているが、風立ちぬという言葉は「風が立たない」ではなく、むしろ全く逆で「風が立った」という意味なのだ。
では「風が立った」というのはどういう意味なのか?
これは別に、某有名アニメのような「クララが立った」という意味ではなく、風が吹きはじめたという意味なのだとか。
今まで静かだった辺り全体に風が吹き始めた、とイメージすると分かりやすいだろう。
次に問題の後半部分「いざ生きめやも」
これに関して言えば、全く耳馴染みのない謎な文章である。
最初の「いざ」というのは「いざ出発」のように、強い意思の表れと捉えれば良い。
問題は「生きめやも」の方である。
こちらは少々難しいので、私の解説が合っているかは微妙だが、こういった解釈もあると受け取ってもらえると有難い。
まず「生きめ」という言葉だが、これは「生きていこう」という意味である。
生きるという言葉に、意思の助動詞である「む」の已然形を加えることで「生きめ」という言葉に変化するのだ。
そして後半部分の「やも」だが、こちらは反語の助詞であり、反対の意味を表している。
つまり「いざ生きめやも」という言葉は、直訳すると・・・
「さぁ!生きていこう!いや死のう。。。」
という非常に情緒不安定な言葉になるのだ。
浮き沈みが激しい女子高生のような文章だったのである。
しかし、文章の前後関係や物語の進行を考えるとこうはならない。
上記の内容はあくまで直訳であり、実際の意味は次のようになると言われている。
「風立ちぬ いざ生きめやも」=「風が立った 私たちは生きようとしなければならない」
こっちの方が、映画の内容にもマッチしており納得できる。
つまり結論を言えば、タイトルの「風立ちぬ」という言葉には、非常に力強い想いが込められているのだ。
こういった裏話を知ると、さらに作品を楽しく鑑賞できるのではないだろうか。
一方で、風立ちぬには色々と批判も多い。
しかも驚くことに、その多くは日本ではなく海外からのものである。
一体どの国が何の為に批判しているのか?
説明するまでもないだろうが、興味があればこちらからどうぞ。