ハロウィンのお祭りの際によく、かぼちゃをお化けのような見た目にくり抜き、中にロウソクを入れ火を灯している姿を見かけます。これはジャック・オー・ランタン(または、ジャックランタン)と呼ばれますが、この風習には実は起源や意味があることをご存知でしょうか。更に、世の中で広く知られているジャック・オー・ランタンには更に別の起源があるとも言われています。
ジャック・オー・ランタンの意味や起源とは
知らない人からすると、一見外国人の名前のように感じる「ジャック・オー・ランタン」。これは、カボチャをお化けの形にくり抜き中にロウソクを入れ火を灯したものの名称です。
言葉の意味は、”ランタン持ちの男”らしいですが、かぼちゃをお化け風に切り抜いてランタンにしたものが、ジャック・オー・ランタンと呼ばれるようになったのには理由や起源があります。
起源はアイルランドの昔話。
その昔、イタズラばかりする「ジャック」という男がいた。
ある日、その男の元に魂を奪う悪魔がやってきた。しかし、ジャックは持ち前の悪知恵を働かせ、悪魔を騙し、死後「地獄には連れて行かない」という約束を取り付ける。
その後、ジャックは死んでしまう。
死んだ人間は、生きていた時の行いで天国か地獄かに振り分けられるが、素行の悪かったジャックは、天国に行くことが出来なかった。
仕方なく地獄へ向かうジャックだったが、彼が生きていた時に悪魔と交わした約束で、地獄に行くことも出来なかった。
困り果てたジャックは悪魔に「だったら、自分はどうすれば良いんだ?」と尋ねた。
すると悪魔は「天国にも地獄にも行けないのなら、元いたところに戻るしかない」とジャックに言った。
仕方なくジャックは、来た道を戻ろうとするが、その道は真っ暗で何も見えない。
そこでジャックは悪魔に「暗くて道が見えない。どうか明かりを。」と頼んだ。
悪魔は地獄に灯されている火の魂をジャックに渡した。
ジャックは、カブをくり抜き、その中に火の魂を入れ、ランタンを作った。
そのランタンを手にジャックはいつまもで、この世とあの世の挟間で彷徨っている。
これが、ジャックオーランタンの起源で、その後、魔除けや悪魔を追い払うために、10月31日に家などに飾ったりすることが一般的になったと言われています。
ここで一つ疑問なのが、昔話ではカブなのに、現代ではカボチャになっていることです。
勿論、これにも理由があります。
元々、発祥の地と言われるアイルランド地方では、ハロウィンの時期にはカブをくり抜いてランタンを作っていましたし、現代でもそれが継承されています。

カブで作られたジャック・オー・ランタン
ですが、アイルランド地方に住む人たちが、アメリカに多く流れ込んだことがきっかけでアメリカにハロウィンの文化が広まり、その後、アメリカでより一般的な「カボチャ」が「カブ」の代用として用いられるようになったと言われています。
ジャックオーランタンに更に別の起源が!?
上では、一般的なジャック・オー・ランタンの起源について書きました。ですが、実はそれ以外にも別の起源がジャック・オー・ランタンにはあります。
というよりも、ジャック・オー・ランタンの更に起源となるものと言った方が正しいかもしれません。
それが、「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」と呼ばれるもの。
意味は「松明持ちのウィリアム」で、これに関しても元となっている話があります。
生前に悪事の限りを尽くしたウィリアム。
その報いから、遺恨により殺されてしまう。
その死後、霊界と呼ばれる場所で、聖ペテロに地獄行きを言い渡されそうになる。
その際、悪知恵の働くウィリアムは、言葉巧みに聖ペテロを上手く丸め込み、天国でも地獄でもなく、人間界に再び生まれ変わることになる。
しかし、その後の人生でも、悪事の限りを尽くしたウィリアム。
その死後、死者の門で、再び相まみえた聖ペテロに「お前のような人間は、天国にも地獄にも行かせない」と、あの世とこの世の挟間にあたる煉獄に閉じ込められてしまう。
その様を見た悪魔が、憐れみの気持ちから、地獄の中で燃える石炭を一つ、ウィルに渡した。
その燃える石炭を手にしたウィルは、あの世とこの世の挟間である煉獄を永遠に彷徨うことになる。
これが、「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」と呼ばれるもので、極悪人のウィリアムが灯す松明の灯は、恐怖の灯として人々に恐れられるようになりました。
どうですか?最初に書いた「ジャック・オー・ランタン」の話と非常に酷使していると思いませんか?
なぜこんなことが起こるのかというと、昔は今と違い「記録」する方法がなく、広く伝わる教えや物語は、必ず口頭で広まります。
そして、口頭で広まるということは、細かい描写などは、伝え広がる内に、徐々に変化していきます。
例えば、日本の童話である桃太郎は知ってますよね。ですが、その物語を一語一句違わずに誰かに話せるか?…というと、ほぼ不可能ですよね。(なんか昔、伝言ゲームで最後まで正しく伝わるか、みたいなことをやってた番組があったような…)
つまり、ジャック・オー・ランタンとウィル・オー・ザ・ウィスプというのは、どちらかが先に生まれた話で、その後、広く伝わっていくうちに、形が変わり広まったのではないか、ということです。
そして、ウィル・オー・ザ・ウィスプのような話は、世界中で広く広まっています。
一番有名なもので、「生前に悪事を働き、あの世とこの世を彷徨う魂が、現生に青白い光や浮遊物体として姿を現し、見た人を惑わし、道に迷わせたり、危険な道に誘導したりする存在」という話。
日本でも、人魂や鬼火などがそれに近い話として広く伝承されています。
これが、ハロウィンの「ジャック・オー・ランタン」とは違う、更に別の起源と考えられているものです。
ハロウィンの起源はもっと恐ろしいものだった…
今回の話はジャックオーランタンの別の起源や由来についてでしたが、その元の祭りごとであるハロウィンにも一般的な説とは別の起源が存在しています。しかも、そちらの説はこれまでの一般的な説とは大きく違い、如何に歴史的に人間が残酷であったかが良く分かる内容です。
歴史的なお祭りごとというのは、必ず宗教的な意味合いが含まれていて、ハロウィンも例外ではありません。
ハロウィンの祭りはアイルランド地方のケルト人たちが始めたのが由来であると言われていますが、そのケルト人たちの間では、”ある宗教”が広く信仰されていました。
その宗教の教祖にあたる人間は、社会的に絶対的な権力を持っており、日本でいうところの三権分立の三権を全て持っているような存在で、当時のケルト人にとって、それこそ”神”に近い存在。
しかし、その宗教にはある意味で”裏の顔”があり、その実態は、神というよりもむしろ”悪魔”に限りなく近く、その裏の顔がハロウィンにも色濃く反映されていました。
その宗教や裏の顔というのが…
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