世代を問わず愛され続けている漫画家「赤塚不二夫」
2008年にこの世を去った時には、多くの著名人が涙した。
赤塚不二夫が残した作品の多くは、いわゆる「ギャグ漫画」であり、代表的な作品は「これでいいのだ」でお馴染みの「天才バカボン」である。
そんな赤塚不二夫には、多くの人が知らない「幻の作品」が存在する。
その幻の作品を紹介する前に、赤塚不二夫とはどんな人物であったのか?を知っておかなければならない。
漫画家に限らず、どんなジャンルでもトップに君臨する人間というのは、その権力を誇示したがるというのが個人的なイメージである。
自分中心に世界が回っていると勘違いし、駆け出しの頃の気持ちを忘れ、下っ端をイジり倒す。
極端に言えば、こんな感じだろう。
売れっ子アイドルや芸能界の大御所などを想像してもらえば分かりやすい。
しかし、この赤塚不二夫という人物は、ほとんど「聖人」に近いような、それはそれは大きな器の持ち主だったのだ。
実際に、赤塚不二夫に纏わる、こんなエピソードがある。
⇒赤塚不二夫は「これでいいのだ~」と言って2億円を騙し取られた相手を許した!?
上の記事を読んでもらえば分かるように、赤塚不二夫はデタラメに器の大きい人物なのだ。
それだけに留まらず、赤塚不二夫は漫画界の革命児であったという。
例えば、こちらの一コマを見てもらいたい。
なんてことない、よく見かけるシーンだが、何か違和感を感じないだろうか?
実はこの作品、いつもの作品よりも、ずーーーーと「絵が下手くそ」なのだ。
それもそのはず、この作品は、利き手ではない左手で書いているのである。
これでいいのだ、の許容を遥かに超えた完成度で、世に送り出しているから凄い。
続いて、こちらの一コマも見てもらいたい。
これは実際にマガジンに描かれていたシーンなのだが、なんと「実寸大のバカボン」である。
空想上の人物なので、これが実寸大かどうかを知るすべはないのだが、これがバカボンのパパの実際の大きさなのだとか。
このシーンでは、バカボンのパパがバカボンを呼んでいるわけだが、次のページを開くと・・・
「なあに?パパ」と、今度はバカボンが実寸大で登場するのだ。
たったこれだけのやりとりにも関わらず、4ページも使うという暴挙に出ているから驚きだ。
これらの作品だけでも、赤塚不二夫という人物が、いかに枠に収まらない、とんでもない異端児だったことが伺えるだろう。
そんな赤塚不二夫も、遂には病にかかってしまった。
これまでに、沢山の作品を世に排出してきた赤塚不二夫は、自分の役目は終わったと悟った。
そんな時ふと「まだ笑わせていない子達がいるではないか?」と、気付いたという。
それが「目の不自由な子達」だったのだ。
そう思い立った赤塚不二夫は、なんと「点字」で漫画を書くという、とんでもないことを始めた。
その作品がこちら。
「よ~い どん!」というタイトルで出版されたこの作品。
これまでに登場してきたキャラクターを、紹介するという内容なのだが、その全てを点字で描いているのだ。
どんな子供たちにも笑って欲しい、という赤塚不二夫の気持ちが伝わる、幻の作品である。
今尚、多くの人達に愛される漫画家「赤塚不二夫」には、愛されるだけの理由があるのだ。
しかし、実はそんな赤塚不二夫にも、黒歴史が存在する。
それが「お蔵入りになった過激すぎる作品」である。
あまりの内容にクレームが殺到し、回収騒ぎにまで発展してしまったのだ。
それがこちら。