今では定番となりつつある「マイナスイオン」
ドライヤーや美顔器、空気清浄機など、マイナスイオンが発生しない家電の方が少ないほどである。
世間では「美容」「健康」に良いとされているが、実際はほとんど効果が実証されていないという。
マイナスイオンがブームになったのは、今からおよそ15年前の1999年~2000年。
テレビ番組「発掘あるある大事典」で取り上げられたことが発端である。
マイナスイオンが人体に及ぼす影響や、その効果などを大々的に取り上げ、一躍ブームに。
2002年には流行語大賞にまで選ばれ、さらに人気に火が付いたのである。
このブームに乗っかり、多くの家電メーカーが「マイナスイオン」を謳った家電を販売するように。
ドライヤー、空気清浄機、加湿器、エアコン・・・
ありとあらゆる家電にマイナスイオン発生装置を備え付けた。
極めつけは、マイナスイオンが発生する「衣服」や「雑貨」まで発売される始末。
もはや手の付けようがないほどに、マイナスイオンブームは加熱していったのだ。
しかし、実はその多くの商品は、ほとんど実証や検証がなされないままになっているという。
つまり、効果があるかどうかなど「全く分からない」というわけである。
一般的にパソコンなどから排出される「プラスイオン」は悪いとされ、逆に「マイナスイオン」は体に良いとされているが、実はこれ自体も何の根拠もない、言うなれば「ニセ科学」の一種なのだ。
しかし、1999年~2000年頃の家電メーカーは、不況であったため、実際の効果などは二の次で、とにかく売れる商品を販売したい一心で「マイナスイオン」に目を付けたのである。
つまり、我々の認識である「マイナスイオン=美容健康に良い」というイメージは、何の根拠もない、ただのメディアの操作によるものなのだ。
ちなみに、マイナスイオンの効果や効能については未だに検証がされておらず、実際の効果のほどは全くの謎なのである。
これは別にマイナスイオンに限った話ではなく、いたるところに転がっている。
例えば「コーヒー」
一時期は健康に良いとされていたが、今ではむしろ「タバコ並に悪い」などという話まで浮上しているのだ。
詳しくはこちら。
こんな風に、科学なんてのは明日にでも覆される可能性が普通にあるのだ。
盲目的に「健康に良い」と信じているものが、実は悪いなんてこともザラである。
もしかしたら「マイナスイオン」も、体に悪いかも・・・?