いまなお根強い人気を誇っている特撮怪獣映画「ゴジラ」。
現在では日本のみならず
海外でも非常に高い評価を受けている作品で
日本発祥のキャラクターの中で唯一
「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に登録されている
大変貴重な作品の1つである。
※ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームとは?
ハリウッドにある歩道のことで
登録された人物やキャラクターは
星形のプレートに名前を刻まれて歩道に埋め込まれる。
そんな世界的な作品のゴジラですが
みなさんはどんな作品だったか覚えていますか?
私の記憶の中では
「ゴジラVS怪獣」というイメージが強く
何度思い返しても「ゴジラ対モスラ」が浮かんできます。
流石にこんなゴミみたいな知識で
世界的名著のゴジラを語ることは許されない
そんな思いから過去の作品を調べてみると
「ゴジラVSメカゴジラ」
「ゴジラVSキング・ギドラ」などなど
モスラ以外ともドンパチしていたことが判明。
で、ここまでの話を統括すると
ゴジラ映画というのは、、、
「ゴジラVS怪獣」というUMA対決の特撮物だということになります。
しかしですね。
実は、これらの作品は全て
シリーズの後半で作られたものであり
初代ゴジラは全く異なった作りとなっています。
初代ゴジラでは他の怪獣は一切登場せず
人類との壮絶な戦いを描いています。
アメリカの度重なる水爆実験により
海底深くで眠っていたゴジラが目を覚まし街を破壊していく。
未曾有の事態に日本は
兵器(ミサイルなど)を用いて応戦し
見事ゴジラを撃退することに成功する。
というのが
初代ゴジラの流れです。
言ってしまうと「ゴジラ」という作品は本来
「アメリカの水爆実験を批判するための作品」だったわけです。
ではなぜ後半からは「ゴジラVS怪獣」という
ありきたりなストーリー展開になってしまったのか?
早い話が大人の事情ってやつです。
初代ゴジラが予想を遥かに上回る
驚異的なヒットを記録してしまい急いで続編を作成したというわけ。
それが「ゴジラの逆襲」です。
この作品こそが今のゴジラのデフォルトとなっている
「ゴジラVS怪獣」の流れを作り上げた張本人です。
それは良いとしてこの「初代ゴジラ」という作品ですが
実は、作るきっかけとなったある事件が存在します。
それが「第五福竜丸事件」です。
今からおよそ60年前の1954年3月1日
アメリカは太平洋のマーシャル諸島にあるビキニ環礁で
「ブラボー実験」という水爆実験を行いました。
※アメリカはこれまでに23回の水爆実験を行っており
このブラボー実験が最も規模が大きく、威力はなんと、
広島に投下された原爆の1000倍とも言われております。
その実験の最中
たまたまビキニ環礁を航行していた日本のマグロ漁船「第五福竜丸」の
乗組員23名がなんと被ばくしてしまったのです。
今でこそ常識となりつつありますが
当時は、放射線や放射能というものの認識がほとんどなく
乗組員はこの事態を飲み込めずにいました。
「死の灰」と呼ばれる
広範囲に広がった放射線物質の被害は甚大で
周辺の島国にまで影響を及ぼしました。
当時、第五福竜丸の無線長だった
保山愛吉さんは被ばくにより半年後に亡くなり
周辺の島国の人々はいまなお健康被害に苦しんでいます。
この事件が起こった約9ヶ月後に
「初代ゴジラ」がスクリーンに登場しました。
度重なる水爆実験で
海底深く眠るゴジラが目を覚ます、、
そして街を破壊していく、、、
私たちが本当に憎むべきなのは
ゴジラなのか、それとも、、、
内容はもちろんですが
作るに至った経緯や理由など
色々と考えさせられる作品です。
最後に、
アメリカが行った水爆実験が
果たしてどういうものだったのか?
ということをみなさんに知っておいてもらうために
「ブラボー実験」の動画を用意しました。
※あまりにも衝撃的なので
視聴する場合は注意して下さい
ブラボー実験を含む水爆実験の実際の映像です。
爆睡してたゴジラが起きるのも無理ないですね。
何今更分かりきっていることを・・・