漫画あんみつ姫。
まだ戦後間もない時期の1949年に連載されていた漫画である。
内容は、おてんばな姫が城を抜け出し、騒動を起こすと言った、ほのぼの系の漫画なのだが、差別的表現により、回収騒ぎになったというのだ。
この漫画は元々、戦後の苦しい時期に、子供たちに希望を持ってもらうために作られたと言われている。
なので、登場人物は皆、甘い食べ物の名前が付いている。
そして、1949年に連載されていたこの漫画は、何度も映画化ドラマ化されており、最近だと、2009年に井上真央主演でドラマ化された。
そんな漫画が問題視されたのが、1995年に発表された、復刻愛蔵版でのこと。
この作中に、黒人に対する差別と思える表現があったとして、抗議を受けたのだ。
その内容と言うのが、あんみつ姫の元に黒人の家庭教師が来た時のこと。
あんみつ姫は、その黒人を見て、「人間じゃない!」と想像してしまうのだ。
そして、その想像しているシーンの背景には、
4本の手をした黒人風の化け物、
両足がしっぽのようになったインディアン風の化け物、
が描かれている。
これらが、黒人差別に当たるとして、抗議を受けたのだ。
そして、この抗議を受けた販売元は、コミックを回収、内容を修正した。
ここまでが、差別騒動の一連の流れだ。
しかし、この一連の抗議行動の裏には、実はある市民団体が絡んでいた。
それが、「黒人差別をなくそうの会」。
この市民団体は当時、ありとあらゆる漫画で、黒人差別に当たるものがないか、目を光らせていた。
そして、あんみつ姫が実際に抗議を受けた訳だが、実は、抗議を受けた作品というのは、あんみつ姫だけでなく、実に多数に及んでいるのだ。
まずは、ちびくろサンボという漫画。
この漫画は、この団体化から抗議を受け、一時期は絶版に追いやられた。
そして、その矛先は、伝説的な漫画家、手塚治虫氏にも。
往年の名作である、「ジャングル大帝」この漫画にも、抗議文を送ったのだ。
更に、この団体は、
鳥山明先生の「Drスランプあられちゃん」
秋本治先生の「こち亀」
などにも、それぞれ抗議文を送り、抗議している。
正直、ここまで来ると、あてつけの様にも思えてくるのだが…彼らには、彼らの言い分があるのだろう。
そして、これは、20年近く過去の話なのだが、つい最近も、ある漫画が、差別的表現があるとして、特定の団体から抗議を受けていた。
その漫画というのが、進撃の巨人。
一体、どういった理由で、どういった団体から抗議を受けたのか。
その内容については、こちらをどうぞ。